今から約４０年前にスエーデンよりインプラントのドリリングによる手術が持ち込まれました。当時は画期的なものでしたが、どうしても日本人の骨には無理がある気がします。骨の質自体がそもそも軟らかくぼそぼそで細い骨が多いからです。僕たちはこれを画期的に広げてインプラントを埋入する方法を編み出しました。この方法だとほとんどのケースで骨移植が必要無くなるばかりか、そこの部位の治りも良くなってくることが分かったきました。日本初の技術本当に素晴らしいと思います。

大口式の最新型スリッターを使い始めて数か月がたちましたが、その威力にびっくりしています。これはスリッターとオーギュメーターを組み合わせたものでスリッターでジグリングができます。これで確実に細い骨を広げることができます。最後にオーギュメーターで拡大してインプラント入れます。本当にほとんどドリリングしない唯一の方法です。今ある骨を利用する。究極のエコです。

昨日は、D2Academy、メディカルエイペックス主催のインプラントライブオペを当院でおこないました。参加者は合計で９名になり午前と午後の部の２部構成で２症例を見ていただきました。ライブオペは実際のインプラント手術の現場とビデオ撮影したものを研修センターの方で見ていただきました。実際にやってみると今回で４回目になりますが、質問がばんばん来るので非常に緊張します。でも２症例とも大成功で患者さんもほとんど腫れなく痛みのもなかったそうです。これからも次世代を育てていく意味でライブオペをどんどんやっていこうと思います。でも正直少し疲れました。

本日は、左下６番に１本埋入しました。所要時間はなんと２０分で完了。抜歯してから４か月待つとほとんど骨ができていてドリリングのみで完了しました。おそらくオゾン水とCRF（血小板濃縮）のおかげで痛み、腫れはほとんどないでしょう？インプラントの基本はドリリング、そして難症例には側方拡大圧縮術で対応していきます。当院では他からの骨の移植はしていません。今あるそこの骨を有効利用します。

常識だったことが常識で無くなることが多々世の中には存在する。インプラントを入れるのにドリリングのみで行うことの危険さは身に染みて感じている。今日の朝日新聞の朝刊にインプラントで死亡事故を起こした飯野先生に有罪判決が下りた。患者さんに下顎骨にドリリングでおこなったために動脈を損傷し、出血多量で死亡させたためだ。我々は極力ドリリングしないで小さな穴からどんどん広げてインプラントを埋入する大口式という手法をとっている。特に上顎は今ではほとんどドリリングは最初の一回のみであとはジグリングによって広げていき埋入している。この方法だと骨をほとんど失くことなく有効的に骨を温存できインプラントの初期固定も万全だ。下の狭窄骨もスリッターによって広げていき埋入している。みんな自分の顎の骨にドリリングをされる気持ちを考えてください。

先週の日曜日は前々から決まっていたOAMの講演を行ってきました。まだ、松葉杖で座っての講演なので受講生の皆さんにはいろいろご迷惑をおかけしたことをお詫びします。最近、ベーシックコースでうれしいのは受講生の中に再受講、再々受講の先生方がいらっしゃることです。そのために内容も少しづつ変化をさせています。今回はD2倶楽部で僕と企画まで手伝ってくれている山本先生のところの代診の先生で望月先生がわざわざ塩尻より駈けつけてきていただきました。そんな先生もいらっしゃるので松葉杖だろうと中止にするわけにはいきません。今週の金曜日は渋谷区歯科医師会館で講演もあります。もちろん決行します。

昨日、オステムインプラントの日本法人長より正式にオステムインプラントのインストラクター就任の依頼がありました。昨日、上顎のボソボソした顎の骨に使用してみたのですが、ものすごく食いつきがよく大口式と併用して初期固定は完ぺきでした。もう一つのインストラクターを務めているドイツのカムログインプラントはドイツ人みたいな顎がしっかりしていて広大な場所には最適ですが、東洋人のような細かったり、ぼそぼその骨にはこのオステムが最適だと思います。今後はこの2本立てでインプラントを埋入していきたい考えています。そしてＤ２アカデミーとオステムジャパンのコラボでインプラントベーシックコース、アドバンスコース、ライブオペを行っていきます。